Sept

サロン・ド・テ

パリの街を歩いていて気が付いたのですが、以前と比べてサロン・ド・テがずいぶんと増えているように思いました。

老舗のマリアージュ・フレールや、フォション、ダロワイヨ、ラデュレなどはもちろんのこと、ここは昔カフェだったはず、というところがサロン・ド・テに様変わりしていました。


カフェと呼ばれる店は、あまり座り心地のよくない椅子に、丸いテーブルがぎっしりと並べられて、なんとなくタバコの煙でモクモクしているというイメージです。

最近では、デザイナーズカフェなどといわれるような、個性的なインテリアのお店も増えているようですが、でも、なんといってもパリのカフェと言えば、暖かい春先から晩秋に見かける、おなじみのオープンカフェは、やっぱりパリらしい風景のひとつです。

私が当時住んでいたアパルトマンの3件先にカフェがありました。まだパリに住み始めの頃、夫と朝の混雑した時間に店に入り、クロックムッシュとカフェクレームを注文しました。店の中はモクモク、ガヤガヤ、隣のテーブルの人と肘がぶつかりそうでした。そんな狭いスペースに、茶色のものがごそごそ動き、そのうちに私たちのテーブルの上に!

それは、大型犬のボクサー(?)のような犬の、大きな顔!足音もなく、とてもなれた足取りでヌーっと現れて、私のクロックムッシュを一切れ食べて、またヌーっと、別のテーブルへ移動していきました。彼(彼女?)は、ここのカフェの常連のようでした。でも、どの客の犬であるか、ぜんぜんわかりませんでしたし、他のお客さんも店の人も、その犬のことなどまったく気にする様子もありませんでした。

それ以来、サロン・ド・テはかわいい小型犬がマダムに連れられてくるところ、”カフェ”は、ボクサーのようなちょっとイカツイ顔の犬がやってくるところ、というイメージが私の中で定着しました!?

今回の旅行で見つけたサロン・ド・テの中には、中国茶の専門店もあり、お昼はディムサムのランチも楽しめるところもありました。日本でも中国茶のブームですが、パリでも人気があるようで、フランス人のマダムたちで賑わっていました。

また、ここでご紹介したお店では、黒びかりした鉄瓶でお茶がサーヴされ、大きなワッフルと一緒にいただきました。チュジニアなどに代表されるマグレブ地域独特のインテリアの中、ゆったりとした椅子と、低く広いテーブルでゆっくりお茶を楽しむことができました。
(Janvier2003)